はじめに

飛び込んだオランダのビジネススクール、Nyenrode Business Universityで、19カ国から39名のクラスメイトと美しい古城キャンパスで、家族のように共に暮らし、勉強しました。

560667_278373005613407_1345371607_n自然と親しくなったのは、ヨーロッパ出身の学生でも、アジア出身の学生でもなく、これまで触れ合う機会のなかったアフリカ出身の学生たちでした。

彼らは、皆、知的で、思いやりに溢れ、朗らかで、気張ったところがなく、そして何より、自分の国に対する誇りと愛情に溢れていました。そして、時おり自己中心的に感じる個人主義の欧米人と比べ、周囲との協調や調和を大事に考えるアジア人と通じるところがありました。これまで関心がなかったアフリカに好感を持つきっかけになりました。

これまで「自分の経済的自由の確立と自立」のために働いてきた私にとっては、「自分」や「家族」という枠組みを超えて、社会のために、国の発展のために雇用を創造したいという想いを持って、何か手がかりを得ようとヨーロッパにやってきた同年代のアフリカ出身のクラスメイトの話は、印象的でした。

彼らは、貧しい家庭の出身ではありませんが、決して裕福な家庭の出身ではなく、そこから欧州のビジネススクールに至るまでの道のりは、一夜にして生まれたものではありませんでした。それは、自分の境遇とも重なり、いつしか、「国の発展に寄与したい」「国内の雇用を増やしたい」という熱い想いを尊敬し、共感するようになりました。

私にも何かできることがあるのかもしれない。

クラスでも最も優秀で尊敬する友人でもあったガーナ人クラスメイトと、いろいろなアイデアを出Research in Ghanaし合い検討し始めました。卒業論文を兼ねたマーケットリサーチをガーナで行い、手応えを感じ、当時、ガーナにはまだ存在しなかったオンラインショッピングサイトを立ち上げることにしました。流通と新しい決済システムを抑えることができれば、大きなビジネスになるかもしれない。アフリカン・ドリームを夢見て、卒業後、共に、オランダから直接ガーナに渡りました。トランク一つならぬ、文字通り、トランク三つで。

 

しかし、現地で直面したのは、起業のエコシステムがないアフリカで起業することの難しさでした。日本で「格差社会」だと社会のせいにする声があることを恥ずかしく思うほど、理不尽な社会でした。それでも、前向きに、多くの若手起業家が、限られたインフラ、物資、情報量、資金調達機会の中で、腐らずに必死にもがいていました。

その前向きな姿勢と綺麗な目に、こういう人たちと共にありたいと思いました。こういう人たちに囲まれていたいと。

MindNET Technologies Ltd. を設立後、1年かけてガーナ初のファッション&ライフスタイルグッズに特化したプレミアムオンラインストアVIVIA.com.gh を立ち上げました。

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そんな日々の中で、「モリンガオイル」に出会いました。

モリンガは、人間に必要な必須アミノ酸を全て含む唯一の植物と言われ、 92の栄養素を持ち、葉、実、種、茎、花、根、その全てが活用できます。 水を浄化する作用も持ち、二酸化炭素を通常の植物の20倍吸収することから、国連WFPの世界食糧計画にも採用されています。

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現地では、モリンガの葉を乾燥させた粉末をサプリメントのように食しています。血液をきれいにすると言われ、糖尿病、高血圧、消化機能の改善、胃潰瘍、免疫力向上、メタボリズムの改善、体内バランスを整える効果が報告されています。

そのモリンガの種子からオイルが抽出できることを初めて知りました。オイルなのに、ベタつかず、さらっとしていながら、しっかり保湿し、肌がモチモチになるその感触に感動し、すぐにサプライヤーに連絡を取りました。ぜひ、日本に紹介したいと。

話をしてみると、彼もまた、MITで学び、故郷ガーナの貧困問題解決と雇用機会創出を胸に誓いガーナに戻ってきた若い起業家でした。学生時代、フィールドワークで回った農村地で出会ったモリンガの魅力に魅せられ、米国人ビジネスパートナーと二人、会社を立ち上げたのです。境遇が似ていることもあり、意気投合したのです。

直後、体調に異変を感じ、詳しい検査のため、日本に一時帰国することになりました。診断の結果、ステージ2の舌癌でした。あと、1ヶ月遅ければ、大変なことになっていたと告げられ、突然ドラマの主人公にでもなったような感覚でした。無事、手術は終わったものの、再発、転移の確率は30−40%と告げられました。1年間は、3週間毎に通院して経過観察を行う必要があるということでした。

抗がん剤を服用しても、再発、転移するときにはしてしまうので、予防法はないと言われました。それまで楽観的だった私も、さすがに恐くなり、癌の要因や増殖のメカニズム、食事療法などを徹底的に調べました。

年々、疾患者が増加する癌は現代病と言われています。その要因は様々ですが、添加物をたくさん含む食生活の累積もその要因の一つと懸念されていることを知りました。

当然ですが、人間の体は、食べたものでできています。食肉の肉質を変えるのに、まず、食事が変更されるように、癌になりやすい状況の体調を変えるには、食生活を変更する必要があると考えました。様々な食事療法例がありましたが、その中で一番理にかなっていると感じた糖を避け、ココナッツオイルを摂取する緩やかなケトン食療法を採用することにしました。

片道2日かかるフライトを考えると、2週間毎にガーナと日本を往復する生活は現実的ではなく、そのまま拠点を日本に移さざるをえなくなりました。ガーナの会社もまだまだこれからというところで、帰国する心の準備ができていなかったので、突然見舞った自分の現状になかなか納得できず、悶々とする想いを消化できずに入院生活を過ごしていました。

1日中エアコンがかかりっぱなしの病棟では、肌がひどく乾燥して痒みを覚えました。日本の大手化粧品メーカーが販売する保湿クリームを使いましたが、ヌルッとするだけで、すぐに乾き、いっこうに保湿されませんでした。洗顔料を使って顔を洗っても、パサパサになるだけで、汚れは落ちませんでした。表示を見ても、なんだかよく分からない物質名がたくさん並んでいます。

このクリームも洗顔料も全然よくない!

憮然として、ガーナで愛用していたシアバター石鹸やモリンガオイルを取り寄せようとしてハッとしました。

何でもある便利な日本になくて、ガーナにあるもの。

それは、人間本来の「自然」に近い生活。自然の恵みそのままのプロダクト。

最終プロダクトにしか触れることのない日本の生活では、製品の仕組みや成り立ちを考える機会がありません。日本で販売されている100%シアバターを見せたとき、ガーナで化粧品メーカーを営む友人が、「これは、本当のシアバターじゃないよ。本当のシアバターは、クリーム色でシアの実の匂いがする」と言っていたのを思い出しました。

日本で販売されているシアバターのほとんどが、脱臭脱色された精製シアバターだったのです。大量生産、長期保存が前提の日本の化粧品業界おいては、素材そのものを活かした本当のナチュラルスキンケアがほぼ存在しないのです。

奇しくも、思いがけず、ガーナで最後のミーティングとなったのは、モリンガオイルの生産者でした。

モリンガの種子から抽出されるオイルは、自然が生み出す最高の美容オイルの一つとして名高く、かのクレオパトラも愛用したと言われています。ガーナは、世界最大のシアバター輸出国で、シアバターは化粧品の原材料として認知されていますが、モリンガオイルは、日本ではまだあまり知名度がありません。

これだ!

“Everything happens for reasons”

起きる全ての事象に意味があるのならば、ガーナで ”Tree of life”「生命の木」と呼ばれるモリンガに出会った直後に、日本で一命を取り留め、生きる機会を得られ、「生」を見つめ直したことにも、意味があるのかもしれません。_OM23504ok_

ガーナで出会ったモリンガオイルを日本で広めること。それは同時に、ガーナで生活をしたからこそ知ることができた彼らの素晴らしい美容、健康にまつわる文化を伝えること。そうして、その根源であるガーナで一生懸命に物作りをしている若手起業家の活動をサポートしていく。

モリンガオイルを始めとした、ガーナの自然の恵みを凝縮したオールナチュラル・スキンケアブランド ”JUJUBODY” の立ち上げを決意しました。

日本では、アフリカというと、「貧困」「飢餓」のイメージがいまだにつきまといますが、私が知ったアフリカ、ガーナは、「幸せだよ」と微笑む人がとても多い、とても豊かな国でした。

それは、物質的な豊かさではなく、物はなくても、音楽さえあれば、リズムを刻んで踊り、体一つで楽しめたり、サッカーゴールがなくたって、ボールさえあればサッカーが楽しめたり、友達と一緒に美味しいご飯をつまめることに幸せを感じられたり・・・彼らの生活は、何より豊かな生活に感じました。

JUJUBODY のスキンケアは、テクスチャーを調整するような化学物質が入っていないため、はっきりとした四季のある日本の気候では、硬くなったり柔らかくなったり、気温によって変化します。

ちょっと不便ですが、それが自然さ。

冬の寒さでは、モリンガオイルは結晶化しますが、手のひらの温度ですっと溶けます。

その間、数秒。

その数秒が面倒臭く思えてしまう日本の忙しい生活で、その数秒を大事なあなたの体やあなたの家族のために使う手間は、心の、生活の「豊かさ」だと、私は思うのです。

そんなアフリカの豊かさを ”JUJUBODY” を通して日本に伝えていきたい。

そんな私のモリンガから始まる物語が、こうして始まりました。