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モリンガパウダー商品化に打ちのめされたワケ⑤


パッケージデザインも完成していたけれど、工場情報が変わるので、また、変えてもらわなければならない。

幸い印刷前だったし、とても良心的に手伝ってくれるデザイナーさんを見つけたので、何てことはなかったけれども、変更が生じる毎に金銭的な負担は増える。

変更が少なく、予定通りに進むほど、負担は少ない。

パッケージも印刷し、工場へ送り、あとは原材料を待つのみとなった。

工場がサンプルのモリンガパウダーに一般細菌・大腸菌群検査を実施すると、一般細菌300/g以下(細菌なしとみなされる値)、大腸菌群陰性という、生協でもどこにでも出せる品質という結果だった。

「沖縄産のモリンガで、有機農法だと、たまに、結構、菌がバッと出ることがあるので、心配したんですけど、すごい優秀だったので安心しました。アフリカでも、これだけ作れるんですね」

と、工場の方から言われ、

菌検査に関しては、化粧品のときにも、一般的に必要な検査を実施して、何も問題なかったので、さほど心配していなかったが、

「そうでしょ、そうでしょ、なかなかやるのよ」

と、ちょっと誇らしい気分でいた。

現地のモリンガパウダーをずっと食べてきたし、もちろん、それでお腹を壊したこともなければ、現地に住んでいる時にも、私は全く当たったことがなかった。

もちろん、輸入ロットとサンプルは同じロットではないので、結果が全く同じではないことはリスクとして存在すると認識していたけれど、心配する必要はないだろうと思っていた。

本当は、現地で検査済みのパウダーを輸入するのがベストだけれども、

日本ではたくさんの外部検査機関があり、2日で結果が出るこの検査に、ガーナでは、4ヶ月以上かかることもあるからだ。

これまでの検査で大丈夫ということは、同じ衛生管理のもと作られているから大丈夫であろうと判断して行うより他にないし、それで平気かと思ったのだが・・・

 


モリンガパウダー商品化に打ちのめされたワケ④


あとは、パッケージを刷って、原材料を輸入して、工場に任せればOKかなと思いきや、

納品したサンプルで試作した工場から当該工場を紹介してくれた会社に連絡が入った。

「結構、パウダーが飛ぶのと匂いが強いので、他の生産ラインを停止しなくてはならないので、うちではできないかもしれません」

何ですと?

品質改良により、以前渡したパウダーよりも、気持ち、1mm弱程度だが細かくなったのだ。

「それに、スタッフが気持ち悪くなって吐くほどの異臭がします」

はぁ?

断じて、異臭というような匂いはなかった。

新緑のような香りで、たとえ香りに好き嫌いはあろうとも、そのような表現が当てはまるような匂いではない。

間に入った化粧品会社でも、スタッフ総出で確認したところ、

「緑の新緑のような香りで、異臭ではない」と全員の見解が一致した。

機械が稼働する際に、高温になるので、そのせいかもしれない・・・が、

つまり、やりたくないってことなんだなと思った。遠回しに。

そんな気分の悪くなるような言い方をせずに、「うちでは対応できません」と言ってくれたらいいのに。

急遽、インターネットで検索し、できそうな工場を探す。

あんなに見つからなかったのに、これだけ切羽詰まると、何が違うのか、私の何が冴えたのか、何社か引っかかった。

最初に大丈夫と言ったところでも、実際にサンプルを送ると、「うちの工場では、この粉の大きさだと機械が詰まってしまうので、できません」というところが多く、ようやく1社発見した。

そこで、交渉してくれた化粧品会社から連絡があり、

「無漂白ペーパーを使う機械を使えないので、ナイロンタイプのティーパックになりますが、交渉しまして、工賃3倍ということになりました・・・ここもかなり苦労して探したところで他に見つけるのは難しいと思いますし、ご迷惑おかけしたので、うちでは、マージン一切載せていませんので、これでご了承いただけませんか」という。

お茶としてだけではなく、個別包装感覚で手で破って使えるように、漂白剤などが溶け出さないように、無漂白ティーパックが使いたかったのだ。

値段はともかく、私は、そこは妥協したくなかった。

全然条件が変わるので、予定していた値段で出せなくなるし、それに、これから継続的にお付き合いしたいのに、あんな言い方されると気分悪いし、相手はやりたくないのだろうし・・・

新たに見つけた会社からの見積もりを待って、判断することにしたら、

なんと、当初予定していた工賃よりも、安くなった!

そこで少し小売予定価格も下げられた。

ピンチがチャンスになるって本当!

と思い、新たな工場と、最終的なパッケージの擦り合わせに取り掛かった。


モリンガパウダー商品化に打ちのめされたワケ③


こうして、工場も生産者も決定したので、パッケージデザインと表示に取り掛かりながら、食品輸入は未経験だったので、どういう手続きが必要か、JETRO や検疫所に聞いて回った。

JETROの相談室では、「計画輸入や事前届けなどもありますね〜」と、JETROのホームページに書いてあることと全く同じことしか言ってくれない。

オウム返しとは、このことだ。

いや、そう書いてあるけど、どういう意味で、実際のところ、このケースはどれに当たるの?ってところは、結局、検疫所に聞いてくださいって話らしい。

検疫所に聞いてみると、添加物が含まれない食品の場合、食品輸入届に必要な添付書類は、製造工程表と原材料表。

「食品の安全性は輸入者が確認すること」という大原則があるが、安全性の確認のために必要な標準的検査などはあるのかと問うと、「いや、強制検査などに該当しない限り、検査は義務ではないのですけど、ご自身で安全を確認してください」

「ん?検査は必要ないってことですか?」

「いえ、ご自身で安全確認をしてください」

あ〜あ、そうか、これをやればOKですよとはっきり言ってしまい、問題が生じると責任問題になるので、どう安全性を確認するかは、任されているということか。

多くの日本の工場では、「一般細菌と大腸菌群検査は実施しておいてください」が主流で、工場によって、その証明書を確認するところと、実施しておいてくださいで任されるところがある。

ということは、おそらく、海外からそのまま最終小売食品を輸入しているところでは、義務検査などはないから、自主検査をどこまで実施するかで、ずさんなところは全く何の検査をせずに、輸入しているのが場合もあるのだと思う。

だから、たまに、中国で作られた輸入食品で大きな問題が発生したりするわけだ。

なるほどね〜。

また、知らなかったけれど、輸入手続きの書類を見て、おもちゃにはかなり添加物が含まれているらしいということもわかった。

事前に書類を確認してくれる相談室があるので、わかる範囲を書いて送ってみようとするが、

「情報漏洩帽子のため、メールでの受付はしておりません。FAXで送ってください。」

そんな機密情報じゃないんだけど・・・

Fax…使ってないなあ。画像悪くて読めないし、紙詰まりとかで届かないとかしょっちゅうだし。

と、思いながらも仕方ないので、実家からFAX送信すると、案の定、

「添付書類、カラー使ってらっしゃるのか、全部黒塗りになって読めません」

そうして、白黒に書類を直して、また、ガーナの生産者に、これでOKならサインして戻してと、戻してもらい、提出すると、

「こんなに空欄ばかりでは、何とも言えません」

「え?だって、搬入日だとか、機体番号だとか、そういう情報は、実際に輸出しないとわからないですよね?事前に手続きができるというのですけど、空輸する場合、3日ぐらいで到着するじゃないですか。一体、どのタイミングで、この書類を出せばいいのですか??」

「空輸する場合、事前輸入届けはできませんね」

最初から、「初めて食品輸入します。空輸でこういうものを送りたいのです」と言ったのに、誰もどのタイプで輸入できるか教えてくれず、たらい回し(泣)

何だかわからないので、輸入手続きサービスがあるDHLに聞くと、「おもちゃとか、機械とかなら、ちょっと複雑なので、請けたまりますが、添加物含まれていない食品の場合、自分で簡単にできますよ。代表者印と製造工程表と原材料表を持って、検疫所に行けば、食品等輸入届出書の書き方教えてくれて、その日のうちに許可書がおりますよ」

DHLのお兄さんの説明が、XXXX 相談室より、ずっとわかりやすいんですけど(泣)

とりあえず、原材料を発送してから対応すればいいらしい。

輸入許可書の問題は、解決したかに見えた。


モリンガパウダー商品化に打ちのめされたワケ②


そうして、心機一転。

2017年に入り、自己資金で商品化しようと、まずは、工場探しから開始する。

しかし、想像以上に、その工場を見つけるのが難しかった。

まずは、お客様の反応を見たいので、数ヶ月で問題なく売り切れるであろう、少ないロットで商品化を希望すると、「茶葉なら扱える」「もっと細かい水に溶ける粉状のもので包状に入れるのであれば」「健康食品の錠剤であれば」「原料持ち込みは不可」など、工場によって、機械、設備が異なるので、似たような食品を加工している工場でも、「原材料を持ち込み」で、「モリンガのこの粉の大きさ」を、「ティーパック状」に詰めるという3拍子揃った条件を満たす工場を見つけられるのは、とても困難だった。

そこで、社長さんがとても良い人だったので、化粧品作りを協力してくれた会社に相談してみた。

やっぱりなかなかないと言っていたけれど、ようやくある工場を見つけ、手持ちのサンプルを元に、見積もりをいただく。

これなら、なんとか出したい値段で出せるようになるかな。

そして、肝心のモリンガパウダーをどこから仕入れるか?

モリンガオイルを生産している会社は、私たちと同じ若い会社で、品質を重視しており、とても信頼していた。

でも、再度見積もりをとると、数ヶ月前よりも値段が一気に2倍超。現在は、品質改良中で新規のオーダーの受付を停止しており、卸しを再開するのは数ヶ月後という。

JUJUBODYで一番重要なのは、品質。値段は二の次。

良いものであれば、その対価は見合うものであれば構わない。でも、原材料の安定供給に不安があることから、新しい生産者も発掘しておいたほうが良いなと思い、今春のガーナ出張時には、新しいモリンガの生産者に会ってきた。

その中の一人が、クリスマス休暇で滞在したウィーンのクリスマスマーケットで、ガーナから調達したモリンガ製品を販売していたガーナ人から紹介してもらった、ポールだった。

(見えづらいかもしれませんが、私の横奥に人が写っています)

それぞれのサンプルも持ち帰り、試してみると、香りに違いはあるものの、粉の細かさ、色、味はこれまでの生産者のものと全く遜色なく、そして、輸入に必要な書類の提出などにも協力的で、とても対応が早かった。

この写真を見せて、この書類を出して・・・全部ちゃんとすぐに出してくれる。

そんなの当たり前でしょ?新しい取引が欲しいなら当然でしょと思うかもしれないが、他の国ではそうだろうけれども、ガーナでは、これはサプライズに近かった。

掘り出し物のようだと嬉しくなったものだった。

何しろ、見積もり依頼しても、戻ってくるまでに3ヶ月かかることもある。

Eメール?読みませんよ。

そう、ガーナ人は、基本的に、全く商売っ気がない。

ナイジェリア人などは、見た目は似ていても全然違います、この辺りの気質が。もっと商売に積極的。

数枚の書類も用意できないという例も多く、アクラ市内であれば、こちらでドラフトし、確認してもらいサインさせる・・・なんてワザも使えるけれど、遠方ではそんなこともできないので、どれだけresponsiveかという点は、見逃せないポイントだった。

また、彼が、農作機の購入に充当できるように、地元の小規模農家に少額の貸付を行うマイクロファイナンスを提供したり、作物の育て方を指導したり、自前で農協のような活動もしていることも知った。

モリンガは、オーストラリアのオーガニック認証なども持った自分の畑で育てており、ぜひ、一緒に仕事をしたいなと思った。

やってみないとわからないのは、常だけども、トライしてみようと、「よし、今回の商品は彼でいこう」と、ガーナのパートナーとも相談して決定した。


モリンガパウダー商品化に打ちのめされたワケ①


2015年10月にローンチパーティーをして、全7商品を発売して以降、モリンガパウダーを助成金などを得て開発したいなと模索し始めた2016年。

モリンガパウダーの賞味期限は約1年で、食品としては長いほうではあるけれども、やはりある程度の量を作って捌ける状態でないと、ビジネスにならないから、スキンケアを通して、モリンガにファンを増やしたところで投入するのが良いかなと思っていた。

ガーナの大統領直轄のYouth Entrepreneurs Fund (YES) にガーナ法人を通して応募する。

35歳以下の若い起業家を対象としたファンドで、特に好ましい事業としては、ガーナは輸入が多いため、新しい輸出品を創成するような事業に対して資金を提供するというものだった。

既に、ガーナからの原材料を使って、日本でスキンケア商品を商品化できているので、実績があるし、新しい商品開発のために、その資金を使えたらと思ったのだ。

ところが、要項には、無利子ローンとなっているのだけれど、巷では「タダでもらえるお金」という触れ込みだった。

ん?どっちなんだろう?

ガーナでは、本音と建前が多く、実際どのように行われているかが、やってみないとわからないことが多い。

JUJUBODYの商品などを見せると、みんな「おぉ、素晴らしい」と気に入ってくれ、順調に審査を進んでいるかのように見えた。

私がガーナに行った際にも、YESのディレクターとの面談を設けてプッシュしようと、何度もミーティングアポをとってみたが、結局流れて、はっきりとした返事はもらえず。

自分たちが、審査のどの段階にあるのか、実際どのような審査過程があるのか、こうした全体像が見えないのだ。

そのくせ、展示会があるから、展示してくれと前夜に言われ、そもそも何の展示会でどのような立場で出るの?YESの受益者として出店しろってこと?と疑問ばかりだけれども、誘っている当人もイマイチ何だかわかっていないようで、でも、大統領が来る大事な展示会だという。

よくわからないけれど、大統領に会えるのなら、トップダウンで話が決まることもあるんじゃ?と、とりあえず、参加。

こんな感じでブースを出したり。結局、来たのは、大臣クラスで大統領はなし。

「YESで金をもらって、つくったのか、それは」という人々に、「いや、まだもらってないんだよね」と話しながら、ああ、そうか、うちの商品をあたかもYESからの実績のように見せたかったから展示してくれって言ってきたんだなと、意図を組む。

ここまでやったんだから、しっかりお金を得るところまでフォローよろしくと、ガーナのパートナーに任せ、毎週電話、直接出向いてフォローしてくれたけれど、「政府機関からのファンドは、この銀行に振り込まれる事になっているから、ここで銀行口座を開いてくれ」と言われ、その通り、口座を開いても、「来週には、振り込まれるよ」と言われ続け、半年。

払う払うって、Next week 詐欺じゃないかっ。

ようやく、スタッフの一人が、「実は・・・これまでに支給した資金が全く戻ってこなくて。会計上、トラブルになっているんだ」と打ち明けてくれた。

「提供した資金で何かやろうとして、失敗してできなかったではなく・・・結局、何のサービスも商品も生まれなかったんだ。誰に資金提供したかも記録がなく、応募した人に、応募書類を元に、資金を受け取ったかと電話して聞いても、みんな受け取っていないって話で・・・」

・・・・・

そう、ある意味、噂話は正しかったのだ。

本来ならば、無利子ローンで返済義務があるものが、誰に配ったかもわからないような管理体制で結果、バラまき、戻ってこないということだった。

っていうか、だったら、何事もなかったように募集とかしないでよ。書類整えるのだって、数枚の話ではなく、100枚近い(こういうのは対面的に整っていても、実際誰も読んでいないのでは?という気がする)その後のフォローアップだって、どれだけ時間かけたことか。

面子を気にするのガーナ人らしい話ではあるけれど、政府関係のファンドは、応募するだけムダっていう人が多かったけど、やってみて、よくわかりました。

その通りだった・・・

私たちのモットーは、ダメと決めずに、何でも試すだったけれど、

もう、ダメだ、YESは、もう当てにできないと判断した2016年の終わりでした。