経験が想像力を育む


新しい経験を積むことは、重要だと思う。

なぜなら、人は、自分が経験したことからしか想像できないからだ。

例えば、本を読むなど、話を聞けば、理解し、想像することはできるけれども、

経験した範囲のことしか、想像することはできないのだと思う。

だから、たくさん色々な経験を積むと、人として豊かに成長できる。

そして、経験を補うために、本やセミナーなどを通して知見を広めるのが大事なのだと思う。

経過観察のために、大学病院に行くと、

少なからず、待たされて看護婦さんに文句を言っている人がいた。

確かに、予約していても、予約時間を1時間超えて待つことも多々あった。

大抵、イライラして看護婦さんに詰め寄って、更に、彼らの仕事を増やしているのは、

引退しているであろう年齢の年配者が多かった。

年を重ねて、自分本位に頑なになるのは、新しい経験が減り、想像力が衰えるからではないかと思う。

年配の人でも、新しいことに挑戦している人は、柔軟だし、とても若い。

私が、普通に外来で来て、がんの告知を受けた時も、担当医は、2、30分くらいじっくり説明してくれたと思う。

だから、たまたま自分の前にそういう患者さんがいれば、その分、時間が押してしまうのは仕方のないことだと想像できるし、そこで待つことに、私はイライラすることもなかった。

実際、みんなちゃんとお昼ご飯食べられているのかな?と思うほど、忙しく働いている。

でも、それが見えない、想像できない人もいるのだ。

今回、思いがけず、緊急調達ということで、自社商品ではないマスクを販売してみて、

少しだけ、今起きている状況や業界事情が、経験通して、想像できるようになった。

なぜ、ドラックストアには並ばないのか?

在庫切れでも、店員に苦情が相次ぐのに、これまでの10倍の値にならざるを得ないものを並べて、非難され、現場を混乱させるより、同値で同じ仕入先(新たに取引口座を開設するのは面倒)から仕入れられないのならばしょうがないというのが、状況だと思う。

全世界中で、77億人が必要なぐらいに、マスク需要が急激に上がっているのだから、原材料費も高騰する。

その前に製造したものと、コストが違うのだから、同じ値段にはなりえない。

需要が上がれば、価格が上がる。

逆に、需要が下がれば、価格は下がる。

原油先物価格が、大きく値下がりして、マイナスをつけたように。

経済の基本原理だ。

でも、商品を作ったことも、業界とも関係ない消費者は、そう想像はできないだろう。

この需要は、ずっと続くものではない。

製造ラインへの投資や、その回収を考えれば、「おいしいビジネス」ではない。

新しく参入したシャープなど異業種の製造メーカーは、何かこの状況で役に立てないかと参入しているのに、中には、高すぎるだの心無い言葉を浴びせる個人もいて、対応しなくてはならないのは、大変だと思う。

そもそも、ほとんどの起業やビジネスは、社会のためだ。

社会の需要がなければ、そのサービスやモノは生き残れない。

だから、事業を通して、お金を稼ぐということは、

そのサービスに価値を感じ求める人がいるということで、

たくさん稼いだ人は、本来、社会にたくさん寄与しているということで称賛されるべきなのだろう。

同時に、たくさんの人の支持を受けて、その財を成したのだから、非常時に、社会のために還元するというのも、理にかなった流れなのだろう。

そうやって、お金は、巡らせて、循環させてこそ、更に価値を生んでいくのだろう。